Role model

ロールモデルは誰かという話で盛り上がった。
その延長で少し。

私がロールモデルを持ったのは最近の事だ。
芸術やデザインの道に進んだのは両親の影響で間違いない。
また、自分の可能性を見つけられたのは人との出会いだと確信している。
しかし、ロールモデルを持つ機会は無かった。
なぜなら、全て良い意味で両親を越えたいと思っていたし、その人達と共に創造者で在りたい、仲間で在りたいという思いが強く、一歩踏み出したその先では独創性を見出すべきだと考えていたから。
その為、暫くの間は暗中模索。
苦労は買ってでもしなさいと言うけれど、やりがいも満足感も感じられず、挫折しそうになった事があった。
そんな時ロールモデルとなる人物と出会った。

性別も国籍も異なり、同世代で表現者という共通点はあるものの、総じて見ても私と掛け離れている。
だからこそ初めから関心が大きかったのだが、何より正々堂々とした姿勢が本当に印象的だった。
その姿勢は彼自身の哲学の表れである。
彼は、生きる事とは誰かの労働の上に成り立っているという事を、強く心に置いている。
その為、彼自身も額に汗して動き、示し、労働を通じて得たものを社会へ還元している。
自らはあまり語らないけれど、奉仕活動もしている。
彼はこう話していた。
「昔から、成功したら、いつか自分の受けたものを返そう。貰ったものをお返ししよう、そんな思いがありました。」

分かち合う事。
マザー・テレサの言葉にもあった。
やりがいも満足感も必要だとは思うけれど、それ以上に、分かち合う事が出来たらどんなに幸せだろうか。
とても難しい事だと思うが、実際、彼も彼の周りもとても生き生きとしている。
私もその一人だし、これから先もリアルタイムで見つめていけるなんて、本当に感動だ。

私は今年に入って新しい活動を始めた。
個人以外の場所であり自分を刷新する場所、はたまた他人の場所である。
正直に言って彼の影響が大きい。
来春の再会では、貰ったものをお返ししよう。
いつか一緒に仕事がしたい。